【政界地獄耳】海外ではいい顔したいタニマチ日本 バブル経済時代の大盤振る舞い - 日刊スポーツ(2024年5月8日)

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★22年末、首相・岸田文雄タカ派といわれた元首相・安倍晋三も実現しえなかった今後5年間の防衛費をこれまでの1・5倍以上の43兆円とする方針を国会の議論もさほどなく決定。とはいえ、防衛費は財源が見当たらず、23年度の当初予算に4343億円の建設国債発行を計上した。政府は本年度も5117億円の建設国債発行を計画し、昨年度の1・2倍、774億円増やす。この使い方で国民にカネがないと隙あらば増税を要求する一方、政治家は裏金づくりに精を出していたのだから国民が怒るのは当然だ。市民は増税、政治家は脱税はあながち間違いでもない。国民の重税感は年ごとに生活を圧迫する。日本は世界に冠たる重税国家だが、重税を課す他国の教育費や医療費は無料か低価格だ。重税感は計り知れない。
★この連休中にも5日、ジョージアの首都トビリシで開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会の閣僚級会合に出席した財務相鈴木俊一は低所得国を支援する基金に1620億円の拠出を表明。首相は1日からフランス、ブラジル、パラグアイを訪問。パリのOECD本部の講演では、東南アジア諸国連合ASEAN)の成長を支援する枠組みを立ち上げるため、今後3年間で800万ユーロ(約13億2000万円)の資金提供を表明。「国内もさることながら海外に行くと政府は突如バブル経済時代の大盤振る舞いを始める。国内の財政が逼迫(ひっぱく)していても、海外ではいい顔をしたい。米国はもうそういう時代じゃないと米軍の駐留さえやめたいという時代に、とにかく演説をしてはカネを出すと言って歩く。中国と張りあっても勝てないが、その中国すら緊縮を始めている今、国民が苦しんでいても世界のタニマチでいたがる発想を変える気は外務省や財務省にはないのか」(野党幹部)。
★今こそ民主党が10年にやった特別会計事業仕分けや予算概算要求前に点検評価する「行政事業レビュー」を復活させてもらいたい。(K)※敬称略