【政界地獄耳】多国籍軍事演習と北朝鮮ミサイル演習 暴発的衝突にならないか心配 - 日刊スポーツ(2022年10月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202210120000066.html

★日本周辺では日米のみならず多国籍軍事演習が絶え間なく続けられている。このニュースはあまり大きく伝えられずに、北朝鮮のミサイル演習ばかりが報じられるため、北朝鮮の軍事挑発が続いているように感じるが、現実的にはこの軍事演習に反応しているともいえる。海上自衛隊は10月2、3の両日、沖縄の南西海域で米海軍、英海軍、オランダ海軍、カナダ海軍、ニュージーランド海軍と合同演習を行ったと発表した。

海上自衛隊からはヘリコプター護衛艦「いせ」、護衛艦「きりしま」「やまぎり」などが参加、英海軍から空母「クイーン・エリザベス」が、アフガン撤退作戦の支援任務から帰還した横須賀が母港の米海軍の空母「ロナルド・レーガン」、昔佐世保に初入港した時は大騒ぎになった空母「カール・ヴィンソン」は米本土からの参加だ。6カ国合同艦隊の編成は空母4(いせを空母にカウント)、巡洋艦2、駆逐艦4、フリゲート艦5、補給艦2の合計17隻の大規模演習だ。この軍事演習は北朝鮮の10日の労働党創建日に合わせて大規模軍事演習が続く中、そこに照準を合わせて行われている部分もあり、こうなるとどちらが先に挑発、けん制なのか分からなくなる。当然、中国軍も今月1日以降、大編隊を飛ばしてこの軍事演習をけん制している。

北朝鮮朝鮮中央通信は10日、「東海(東シナ海)に再侵入した米海軍の空母を含む連合軍海軍による海上機動訓練が敢行されている情勢の背景下において、史上初めて150機以上の各種戦闘機を同時に出撃させ、人民軍空軍の大規模攻撃総合訓練が行われた」と報じていて、そうなれば韓国軍も対応することになる。この繰り返しで緊張関係はどちらが作っているのかさえ分からないが、心配なのは領海侵犯や防空識別圏内への挑発からの暴発的衝突だ。(K)※敬称略