<金口木舌>世界を変える - 琉球新報(2022年8月27日)

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20世紀に生まれた私は漠然と21世紀になれば「未来の世界がやってくる」なんて思っていた。だが、待てど暮らせど、自分の生活に変化はなかった

ビジネス誌「フォーブスジャパン」が企画する「世界を変える30歳未満の30人」に、平和教育ファシリテーターとして活躍する狩俣日姫(につき)さんが選ばれた
▼県内の学校や修学旅行生を対象に平和学習を行っている狩俣さん。かつては「平和教育が嫌いだった」というが、海外での生活などを経験し沖縄戦基地問題などを学ぶ必要性を感じたという
沖縄戦から77年。記憶の継承が課題だ。本紙は5年に1度、県民意識調査を実施している。2021年調査で「沖縄の近現代の出来事で最も重要だったこと」を聞くと「沖縄戦」を選んだ人が39・7%でトップ。ただ、調査ごとに割合は減少し続けている
▼言うは易く行うは難し。狩俣さんは行動を選んだ。私たちも沖縄戦や沖縄の歴史について学び、考え、行動することができる。自ら変化を選び、歩み始めれば、世界はもう変わり始めているかもしれない。