https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202105040000037.html
★先月28日、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの観客上限方針などを話し合う大会組織委員会、東京都、政府、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)の5者協議が都内とオンラインで開かれた。五輪相・丸川珠代は「国としては、まずは防止に全力を尽くして7月の東京大会を安心安全に。新型コロナ対策調整会議は本日、変異株に対応した追加的な対策として(都、組織委との)3者の考えを取りまとめたところ。プレーブックの改定についても緊密にやってきた」といつもの調子で説明した。
★ところが同日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長・尾身茂は衆院厚労委員会で、開催について「そのときになって判断するのでは遅い。世界では発展途上国も含めて感染が非常に広がっているのは事実。リスクは当然ある。いろんなことを今から考え、組織委員会など関係者が感染のレベルや医療の逼迫(ひっぱく)状況などを踏まえて、国民に知らせるのが組織委員会、関係者の責任ではないか。五輪・パラリンピックに関する議論をしっかりやるべき時期に来た」と、開催の是非について言及した。
★これに対して丸川は「国民の皆さまの中にも大会を開催することによって起きる人の流れが感染拡大を起こし、医療を逼迫すると懸念していることは十分承知しています」と世論の反対は承知しているとの認識を示した。また組織委員会会長・橋本聖子は5者協議後の会見で「今日の5者協議で開催をするということは合意した」と開催を再確認したことを強調し、コロナ逼迫を意識しているが中止の選択肢がないことを前提にIOCのバッハ会長来日を待つ構えだ。豪州では五輪キャスターの大会時訪日中止など、外堀は埋まりつつあるが、このまま突入すれば、五輪失敗の世界世論も生まれかねない。(K)※敬称略