https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1282909.html
米軍人らによる性暴力事件が起きる度に抗議し、地位協定改定を求めている団体がある。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」である。被害者の相談を受け支援につなげることもある
▼被害者が偏見を恐れ性犯罪を告発するのはわずかだ。女たちの会は埋もれた性犯罪を約25年にわたり、掘り起こし年表にまとめている
▼性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が約1年間、沖縄を含む全国各地で開かれた。被害者が心の苦しみを打ち明ける場になっている。刑法の性犯罪規定の見直しへ機運を高めた
▼米国では2017年、ハリウッドの大物プロデューサーらによる性暴力を告発した「#MeToo」運動が始まり、世界に広まった。日本ではジャーナリストの伊藤詩織さんが性暴力被害を訴えた。「#MeToo」運動に日本の女性たちも加わることを後押しした
▼こうした活動は「シスターフッド」という言葉を想起させる。女性解放を目指す女性同士の連帯、友情を示す。日本では女性の社会的地位を考察した文芸雑誌「青鞜」(1911年創刊)がシスターフッドの始まりとされ、70年代のウーマンリブ運動につながった
▼同じ女性でも考え方も価値観も違う。十把ひとからげにはできないが、共通点はマイノリティーであること。きょうは「国際女性デー」。女性が課題解消へ手を取り合えたら社会は変わるはずだ。