<金口木舌>スマホ世代も思い出求め - 琉球新報(2020年12月23日)

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テレビが壊れて新調した。あまり見ないので買うか買わないか悩んだが、最近のテレビはテレビ番組だけでなく、ネットにつなげば動画配信サービスや動画投稿サイトも見られる

▼子どもたちは「テレビは必要」と言うが、それはスマートフォンの大画面用としての「受信機」の意味。テレビの役割も昔と異なる
▼コロナ禍で生活様式は一変した。ネットの動画配信サービスが売り上げを伸ばし、対面接触を極力減らす販売、サービスが好まれ、人と会わずに商売できることが安定的な売り上げにつながる
▼だがそうはいかない分野の一つが学校だ。小中高校ではコロナ禍でも対面授業が主体となっている。一方で、休校が長く続いたことや“密”を避けるため、修学旅行、学園祭など学校行事は激減している
▼そのような中、今帰仁中、具志川東中など一部の学校では生徒たちがミニ体育祭を企画し、障害物リレーや大縄跳びなどを楽しんだ。「みんなで楽しむ思い出がつくれた」と生徒たちは話す。生徒の企画を後押しする学校にも度量の大きさを感じる
▼教科書だけでは学べない、仲間と一つのことを成し遂げる達成感や、つらかったり楽しかったりの思い出も心の成長につながる。スマホが手放せない若い世代が、どこかで人との関わりを求めている。生徒たちの企画力・行動力に感心しつつ、安心感を覚えた。