(政界地獄耳) コロナの陰で崩れ始めた菅改革 - 日刊スポーツ(2020年11月23日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011230000146.html

新型コロナウイルスの感染拡大に関心が集まりあまり話題にならないが、菅内閣の柱が崩れ始めている。首相・菅義偉が就任直後に掲げた携帯電話値下げと縦割り排除の改革とやら。行革担当相・河野太郎は、はんこの廃止を声高に言い出したもののはんこ業界から批判を浴び、次はペーパーレス化とぶち上げれば党内から「そんなことをしたら、首相は答弁できずに立ち往生する。首相は官僚の用意した答弁書予算委員会でとっさに官僚から投げ込まれるペーパーがないと何もできない。河野は首相の足を引っ張っている」と、言われる始末だ。

★河野は就任直後、自分のホームページを使った「縦割り110番」を開設したが1日で4000件を超える投稿が殺到。内閣府の「規制改革・行政改革ホットライン」に場所を移して募集を続けたが、19日までに7200件を超え、20日の会見で募集中止を発表した。17日の参院内閣委員会では「霞が関の処理能力に限界が来ている」と答弁。多くの国民は霞が関の慣例や省益のために、無駄な手続きや書類の作成、複雑な省庁をまたぐ調整を押し付けられているのに、声を上げれば「処理能力を超える」では、菅改革は早くも頓挫と言われても仕方がない。

★そもそも、こんな担当相を置かなくても旧行政管理庁→総務庁と引き継がれた行政監察権は、省庁再編で総務省行政評価局に受け継がれている。そこが仕事をすればいいだけのことだ。河野は不要で無駄な大臣といえる。さてその総務相は、首相鳴り物入りの携帯電話値下げで20日、「多くの利用者が契約しているメインブランドでは全く新しいプランが発表されていない。これが問題。利用者が『安くなった』と実感できなくては全く意味がない」と不快感を示した。つまりこれもできていない。これでは首相の国会答弁と同じで「ゼロ回答」だ。(K)※敬称略