(政界地獄耳) 加藤厚労相の化けの皮がはがれた - 日刊スポーツ(2020年3月20日)

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厚労相加藤勝信のダメさ加減は新型コロナウイルスの初期対応から現在に至るまで続いているが、1度目の厚労相の時もほぼ中途半端に更迭のような形でその職を離れたが、今回もやはり上出来の対応とは言い難い。財務省出身でそつなく、首相・安倍晋三の数少ない育成議員だったが、その化けの皮がはがれたといえる。首相官邸のホームページには「働き方改革は1億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます」とある。

★ところが加藤は16日の参院予算委員会フリーランスに対して政府が1日あたり一律4100円の給付としたことは正規・非正規の雇用者の8330円の半額に当たる。なぜかと問われ「普通は午前9時から午後5時と労働時間は決まっているが、フリーの人は決まっていない。子どもをケアした後、仕事をすることもできなくはない。1件1件把握しなければならなくなる。(雇用保険に加入する)週20時間でいえば、週5日、1日4時間だ」と算出根拠を説明した。加えて「合理性があるかと言われると、制度は仕組めない」とフリーランスとフリーターを混同したような説明をした。そもそも「普通は」などと多様性を否定するなど加藤の説明ではフリーランスとはたいして仕事をしないサボり癖のある労働力とでも思っているのだろうか。

★まさに政府がこの4月から推進する働き方改革はサラリーマンの働き方だけでなく、多様な働き方に社会が理解を示し、労働時間だけで判断するのではなく、集中した労働で生産性を上げようというものではないのか。フリーランスとは個人事業主であり、加藤の言う9時5時の労働形態ではなく、依頼された仕事が完了して仕事を終えるという形ではないのか。仕事が完結するまで徹夜もあれば午前中に片付いてしまう場合もある、土日や祝日に仕事をすることも、平日休む場合もあるといった働き方を指すのではないのだろうか。この程度の認識では厚労相は務まらない。(K)※敬称略