(政界地獄耳) 五輪以外の文化・芸術に支援ないのか - 日刊スポーツ(2020年3月19日)

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★「公演を自粛しろ」と“お願い”しながら音楽家や舞台俳優、噺家には1円の補助もせずに、見向きもしない安倍内閣に対して、東京オリンピックパラリンピックのチケット不正転売禁止法を成立させた超党派の議員たちが「文化は一度なくなってしまえば復活が難しい」を合言葉に動きだした。17日、ライブ・エンターテインメントに関する超党派議員連盟は国会内で「新型コロナウイルスからライブ・エンターテインメントを守る超党派議員の会」を開催。損害額は450億円を超えるといわれ、議員たちは最新の実情を把握した。

★既に日本クラシック音楽事業協会日本芸能実演家団体協議会なども政府に対して、公演中止・延期によって生じた損害の補償や国としてある種のガイドラインなり、もう少し丁寧に説明が必要と訴えている。ドイツ政府は「文化とはいい時だけに許されるものではない。私たちは今、それらが中止になることで、どれだけそれが私たちにとって大切で、私たちに足りないかを感じている。この非常時において特に小さい企画であったり、またフリーランスの芸術家たちを強く支援していく必要がある」と訴えている。

★日本国民は政府の方針に基本的には従順だが、政府側が国民の実情や苦悩を理解しない場合、国民は離反せざるを得なくなる。この政府はそこを理解できていない。「文化は腹の足しにはならなくとも、長く効く薬の役割を持つ」とは超党派議連に参加した人の声だが、オリンピックの予定通りの開催以外は自粛を強いる政府の対応にそろそろ明確な支援を打ち出さないと、ほかのスポーツや文化・芸術分野から批判と悲鳴が強くなるだろう。(K)※敬称略