(政界地獄耳)IR汚職は「個人的なオレオレ詐欺」か - 日刊スポーツ(2019年12月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201912280000066.html
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★この政府の中途半端な対応に加えて自民党国対委員長森山裕立憲民主党国対委員長安住淳と26日、国会内で会談し、IR汚職事件を巡り野党が要求した閉会中審査に応じない考えを伝えた。確かに捜査中の案件ではあるが、来年1月20日から始まる通常国会では野党の攻勢が強まる。その時また、内閣府国交省は資料の破棄、黒塗り、不開示を繰り返すだろう。政府は森友・加計学園疑惑、「桜を見る会」関連疑惑に次いで、公文書を曖昧に扱うことになる。そこまでくれば公文書隠しはもうこの政権の体質と言っていい。

★ところが、政府与党よりも過激なのはカジノ誘致を進める大阪市長松井一郎日本維新の会代表。同日、「権限もないのに俺は力がある、俺は力があると業者に餌をまいて食いつかせた。個人的なオレオレ詐欺事件だ。副大臣という肩書で何らかの影響力を行使できると見せかけた。トラの威を借るキツネのようなものだ」と元内閣府副大臣・秋元司の逮捕とIR汚職事件を個人の詐欺事件と断定した。東京地検特捜部が事件に着手し、これから本格捜査という時に松井は何の根拠でこんな発言をするのか。それならば自民党は審議を受ければいいはずだ。事件とカジノ誘致を切り離そうとしているのだろうが、これではカジノ反対者が増えるばかりだろう。

★25日、首相・安倍晋三日中韓首脳会談などに出席した帰途、政府専用機機上で党が調査した最新の選挙情勢を示された。そこには現有勢力からマイナス80議席の予想が記されていたという。解散は遠のいたとみるべきだろう。(K)※敬称略