https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/472802
http://web.archive.org/web/20190919001427/https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/472802
「米軍の好き勝手はさせない」。米軍が伊江島でのパラシュート降下訓練に伴い本部港を使用すると通告していた17日、港には町民や市民団体ら約100人が結集し、米軍を追い返した
▼気温30度を超える暑さの中、米軍や防衛局、機動隊との対峙(たいじ)は朝7時前から約10時間。米軍が撤退する動画を本紙のツイッターに投稿すると、「したいひゃー」「すごい」などとツイートがあった
▼閲覧者の「リツイート」「いいね」の反応は、それぞれ800件を超えている。辺野古の新基地建設の現場の様子を日々、記者が投稿しているが、これだけの反応はめったにないことだ
▼県や町は再三にわたり使用自粛を求めていた。一方、国は訪日客誘致の拠点となる「国際旅客船拠点形成港湾」に本部港を指定しているが、日本政府は米軍の強硬姿勢を放置。米国にものが言えない日本の恥もSNSで広がった
▼在日米軍専用施設の約70%が集中する沖縄で、負担軽減は進まない。基地機能は強化され、辺野古にも新基地が造られようとしている。さらに、米軍は将来の民間利用までにらむ。この現実を見て見ぬふりできるはずはない
▼県民には米軍の強硬を止めてきた歴史がいくつもある。沖縄の海も空も土地も県民のものだ。本部港から米軍が撤退した時、現場に響いた歓声にその歴史を思い返した。(吉川毅)