建設進む辺野古は普天間飛行場の「代替施設」? それとも「新基地」? - 沖縄タイムス(2019年2月21日)

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そもそも辺野古~県民投票を前に(8)

名護市辺野古で建設が進むV字形滑走路の飛行場は、普天間飛行場の「代替施設」なのか、それとも「新基地」なのか。
政府は、埋め立て必要理由書の中で「普天間飛行場代替施設」と明記。米海兵隊基地として使用しているキャンプ・シュワブの陸上部分と辺野古の沿岸部160ヘクタールを埋め立てた土地に建設するため、普天間の480ヘクタールが返還されれば、面積では実質320ヘクタールの縮小になると主張している。
さらに滑走路は2700メートルから1800メートルに短縮。普天間で担ってきた三つの機能のうち空中給油機はすでに山口県岩国基地へ移転、緊急時の外来機受け入れは本土移転が決まっており、辺野古の飛行場ではオスプレイやヘリの部隊運用だけにとどまる。住宅防音工事助成事業の対象は普天間周辺の1万世帯から、辺野古周辺ではゼロ世帯になり、騒音被害は軽減される。
そのため「新基地ではない」と強調してきた。
一方で、辺野古の基地には普天間にはない新たな機能が加わる。
大浦湾側に整備予定の係船機能付き護岸について、政府は「故障機などの搬出に使用」と説明するが、全長271・8メートルでオスプレイ搭載の強襲揚陸艦が接岸できることから「軍港ではないか」と指摘されている。タンカー用の燃料桟橋も建設予定で、海と面していない普天間に比べ、特徴的な新機能となる。
普天間にはミサイルや銃弾を積み込む場所がなく、普天間所属機は空軍嘉手納基地への移動が必要だったが、辺野古では弾薬搭載エリアが整備される。
辺野古移設に反対した稲嶺進前名護市長や翁長雄志前知事らは「新基地」と呼んできた。
県内の米軍基地には計88カ所のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)があり、普天間所属機が訓練を繰り返している。普天間周辺の騒音や危険性がなくなってもヘリパッド周辺ではこれまで以上に訓練が展開される可能性もある。
県民投票条例では「普天間飛行場の代替施設として国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋め立て」と表現している。(政経部・福元大輔)