(政界地獄耳) 秋国会は政権批判防止の閣議決定から? - 日刊スポーツ(2019年8月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908130000049.html
http://archive.today/2019.08.13-004037/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908130000049.html

★10日、参院選期間中に札幌市で行われた首相・安倍晋三の街頭演説にやじを飛ばすなどした聴衆が北海道警の警察官に現場から排除された問題で反対する市民らのデモが行われた。また6日、道議会常任委員会でもこの問題が取り上げられ、道警本部長・山岸直人が「現場のトラブル防止の観点から措置を講じた」と説明。だが法的根拠の説明はない。

★ただ、道警の説明は、はなはだ説得力に欠ける。街頭演説で「増税反対」と声を上げた女子大生のとっさの判断による録音でのやりとりでは、道警(以下、警)「いきなり声上げたじゃん」、女子大生(以下、女)「なにそれ、犯罪なわけ?」警「取り押さえたんじゃなくて、やめよ」女「腕つかんで取り押さえたじゃん」警「それは取り押さえじゃないんだよ」女「じゃあ日本語が違うんだ、あなたたちと」警「法律に引っかかっているとかじゃなくて」。この法に基づかない問答が続くが、聞いていると現場のトラブルを巻き起こしているのは道警ではなかろうか。

★もしかしたら、それ以外のやりとりや犯罪要件を道警は知っていたり持っていたりするかもしれないが、いずれにせよ排除という名の連行に山岸が言うだけの説得力はない。選挙中の街頭演説で「増税反対」で私服や制服の警官に取り囲まれただけで民主国家の住民はその異様さに緊張するはずだ。当然、首相を応援する人たちの声やプラカードにおとがめはないとなれば、唯一、住民、市民、国民をその場から排除するにはそれなりの法的根拠が必要だ。無論、道警はじめ、警察がそれを無視して超法規を行使したか、秋までには法律を作ってやじのみならず、政権批判防止法でも作るなら、予行演習とでもいえよう。それを間違いだったと正し、謝罪するチャンスが6日の道議会だったにも関わらず道警は突っ張った。秋の国会ではまず政権批判防止の閣議決定からか。こわーい。(K)※敬称略