(地獄耳) トランプ超法規的観戦 今も昔も接待尽くし - 日刊スポーツ(2019年5月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905280000098.html
http://archive.today/2019.05.28-005339/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905280000098.html

★5月の最終月曜日は米国の祝日。メモリアルデー・戦没将兵追悼記念日だ。一方、日本ではすでに廃止されたものの1905年5月27日に行われた日本海海戦を記念して制定された海軍記念日だった日。軽空母に衣替えする護衛艦「かが」に日米首脳が立つ日が来るとは日米の防衛・安全保障関係者にとっては感慨深い日になったことだろう。

★もう1つ付け加えれば、今から3年前の16年5月27日。米オバマ大統領が現職大統領として初めて広島を訪問。広島平和記念資料館を見学し、4羽の折り鶴を寄贈。原爆被爆者慰霊碑に献花し、被爆者代表らと短いやりとりを行った。日本原水爆被害者団体協議会代表委員はオバマとの会話を会見で「米国を責めていないし、憎んでもいないと伝えた。これからが大事だ。『時々広島に来て』と言ったら、(オバマの)握手が強くなった」と話している。

米朝会談の当事者の1人であり現在トランプ政権の国家安全保障担当補佐官を務めるジョン・ボルトンは、今回も日本に先乗りし、首相と会談。イラン問題や北朝鮮問題などが話し合われたと思われるタカ派だが、オバマ広島訪問当時の27日付ワシントン・ポスト紙で「恥ずべき謝罪のツアー」と強烈に批判した。つまり米政権も大統領とその側近が変われば発言も行動も全く変わってしまう。しかし日本政府の米国への接待攻勢に変わりはない。

★トランプは大相撲を楽しんだが、横綱白鵬は17年に万歳三唱して批判され、今年3月の春場所千秋楽では優勝インタビュー中の3本締めが「あるまじき行為」と問題視されたが、桟敷席にいすを並べ、座布団を飛ばすと法律違反になるなど国技館始まって以来の超法規が続いた。トランプは「日米はかつてない良好な関係にある」としているが、そのほとんどが2人の特権を利用し、超法規を繰り返した結果だということも忘れてはならない。(K)※敬称略