[大弦小弦]長い滑り台に乗って歓声を上げる子どもたち… - 沖縄タイムス(2019年5月5日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/416392
http://archive.today/2019.05.06-004806/https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/416392

長い滑り台に乗って歓声を上げる子どもたち。1人で滑り降りて自慢げな表情を見せる幼児も。西原町の公園は、10連休終盤を楽しむ子どもでにぎわっていた

少子化の中、沖縄は人口に占める子どもの割合が全国で最も高い。一方で、県内の子どもをめぐる状況は必ずしもいいとは言えない

▼県の2015年度の子どもの貧困率は29・9%で全国平均の約2倍となった。その後の取り組みで25%にまで改善されたが、厳しさは続く。18年の県民意識調査では、重点的に取り組むべき施策として「子どもの貧困対策の推進」が42・1%で最多となった。対策が急がれる

▼県内では子どもの居場所づくりや子ども食堂の設置が広がる。4日も通常通りオープンしていた那覇市の居場所の一つを訪ねた

▼連休中も親が仕事を休めないなどの家庭の事情を考慮したものだ。世代の枠を超えて地域の交流の場になっているという。中学2年生の男子は「いつもは部活もあって忙しいので、休日はここでゆっくり遊べる」と友達とくつろいでいた

▼きょうは「こどもの日」。児童福祉週間のスタートでもある。今年の標語は「その気持ち 誰かを笑顔にさせる種」。子どもにとって幸せな環境をつくっていくことは、社会やすべての大人の責任であろう。子どもたちの可能性を伸ばしていける沖縄でありたい。(内間健)