(地獄耳) 桜田更迭で「忖度発言」葬りか 漂う演出臭 - 日刊スポーツ(2019年4月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904120000236.html
http://archive.today/2019.04.12-010810/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904120000236.html

★前五輪相・桜田義孝の更迭で薄めようとしているのだろうか。「忖度(そんたく)発言」で国交・内閣府復興副大臣を辞任した参議院議員塚田一郎は9日に「お詫び」とする文書を発表。「国民の皆様、新潟県民の皆様に、ご迷惑ご心配をお掛けし、また多大なるご不快の念をお掛け致しましたことを、心より深くお詫び申し上げます。全ては私の不徳の致すところでございます。この度の事を厳粛に受け止め、深く反省し精進して参る所存でございます。本当に申し訳ございません」とした。

★いささか怪しい文法だが一体何が問題で何を謝罪しているのか全く分からない。何が「迷惑」で何が「多大なる不快の念」なのか。「この度の事を厳粛に受け止め、深く反省」の意味も不明だ。つまり、「忖度」発言自体ではなく一連の混乱と騒動をわびているにすぎない。同日、国交相石井啓一は衆参の国交委員会で「発言により大変なご迷惑をおかけしたことは誠に遺憾。行政の公平性に疑念を与えかねない発言は慎まなければならない」と陳謝したものの「忖度はない」と否定した。

★それならば幕引きを急がず、野党が要求する塚田の国会への参考人招致自民党は認めるべきだ。そこに来ていつはじけてもおかしくなかった桜田砲がさく裂。既に就任当初から失言や言い間違いなど更迭のタイミングはいくらでもあったが、いやそれどころか任命すべきでなかったが桜田更迭という官邸にとっては一見マイナス、だが塚田問題や副総理兼財務相麻生太郎の一連の福岡知事選と忖度発言問題を葬るにはうってつけの爆弾をタイミング良くさく裂させたとは言えまいか。桜田二階派というのも幹事長・二階俊博の発言を封じるのに都合がいい。自民党内はこの間まで安倍4選発言であふれていたが、今では官房長官菅義偉ポスト安倍の筆頭格と大騒ぎだ。全体の演出臭と情報誘導が過ぎる。(K)※敬称略