https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904040000280.html
http://archive.today/2019.04.04-003135/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904040000280.html
★「いいこと言った」と思ったら怒られた。1日、国土交通副大臣・塚田一郎が北九州市での集会で、下関と北九州を結ぶ「下関北九州道路」の整備で国の直轄調査への移行に関し「安倍総理と麻生副総理の地元の事業」「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので、国直轄の調査計画に引き上げた。私が忖度(そんたく)した」と発言した。塚田は2日、「事実と異なるため撤回し謝罪する」というコメントを文書で出した。
★与党は火消しにおおわらわだろうが国民の前に姿も現さず、この発言をなかったことにしようとする本人、任命した首相・安倍晋三、自民党の火消し係、それを中途半端に攻撃して追い詰めない野党議員。すべて国民の政治不信の元凶だ。日常茶飯に起こる程度の低い舌禍、軽口、冗談にならないような不規則発言、加えてセクハラやパワハラの類、ここ数年、政治の世界はごまかしたり改ざんしたり頬かむりして正すことをせず、あいまいにやり過ごしてきたものばかりだ。国民に反対の多い法案の強行採決、公文書改ざん、不正統計、政治の世界はうそ、ごまかしのオンパレードではないか。野党も国民もあまりの件数の多さに問題の重大さを忘れ、まひしてしまっている。
★だが、こんな程度の政治に胸を張り、新たに新元号をいただく時代を受け入れていたら、この国はどんどんだめになるのではないか。ひとつひとつの問題に決着をつけ、曲がりなりにも内閣の一員が道路建設は首相と副総理の地元だから忖度したなどという疑念を想起させただけで、本来内閣は恥ずかしくて恥ずかしくてこの身の程知らずの副大臣を直ちに更迭すべき事案のはずだ。陳謝撤回で済ませていては年号は変わっても、この国に新時代は訪れない。(K)※敬称略