(政界地獄耳)石破の思いは自民の劣化を食い止めるか - 日刊スポーツ(2018年7月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807280000229.html
http://archive.today/2018.07.28-020127/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807280000229.html

自民党の劣化に自分たちは気づかないのか、それとも目先の利益を求めるあまり、勝ち馬に乗りたいだけなのか。森友・加計学園疑惑の時もそうだ。常識的に見て首相夫人が名誉職として冠を与えられることはあるだろう。だが、それは出来上がった「もの」に対しての「称号」である。これから作ろうとする学校の名誉校長を引き受ければ、それに関係する土地取引、学校設立の動きに名誉校長の名前がついて回り、官僚の忖度(そんたく)が始まることを想像できないのか、知らないふりをしていたのか。
★そしてそれをたしなめたり、首相の名前に傷がつくと注意する首相側近も官僚もいなかったとすれば確信犯と思うほかない。安倍政権は一連のモリ・カケ疑惑で民主主義の根幹を破壊し、政治家のみならず、官僚にもうそをつき通すようにして、公文書改ざんにまで手を染めさせた。それでも安倍の3選を党内の大半が支持し始めるのは、気づかないのではなく、知っていながら目先の利益を求めた結果だろう。その目先の利益とは何か。党や政府の役職欲しさか。だが官房、財務、国交、幹事長は指定席だから譲れない。それ以外から選べということだ。次の内閣改造は劣化の象徴になるだろう。
★このありさまを元幹事長・石破茂はあきれて「全ての人に公正な政策や条件づくりに努めているかが問われる総裁選でなければならない。間違っても同じ党の同志をさげすむ党であってはならない。一部の人たちのために自民党はあるのではない。すべての国民に対し自民党はある。謙虚で誠実で正直な自民党、私たちはそれを作っていかなければならない」とけん制した。劣化は食い止められるのか。(K)※敬称略