水俣病認定求め 申請棄却の5人提訴 新潟地裁に、2次訴訟 - 新潟日報モア(2019年2月4日)

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20190204448840.html
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新潟水俣病特有の症状があると診断されながら水俣病認定を棄却されたとして、新潟市阿賀野市に住む男女5人が4日、県と新潟市を相手取り、棄却処分の取り消しと水俣病認定を求め新潟地裁に提訴した。
新潟水俣病の行政認定を巡る訴訟は、2017年11月の東京高裁判決で9人が勝訴した訴訟以来で、今回が第2次訴訟となる。
訴状によると、5人は50~90代。阿賀野川で取れたメチル水銀に汚染された魚介を食べ、手足のしびれなどに悩まされ、医師から水俣病特有の症状があると診断された。13~14年にそれぞれ県または新潟市水俣病認定を申請したが、17年10月までに棄却された。いずれも、公害健康被害補償不服審査会に審査を請求している。
提訴手続き後に記者会見した原告弁護団長の内山晶弁護士は「水俣病の認定要件を満たしている人を認定すべきだというシンプルな訴えだ」と説明。「要件を満たした人が認定される本来の流れが定着すれば、こうした訴訟は必要なくなる」と、2次訴訟提起の意義を強調した。
めまいやしびれに悩まされてきたという原告の1人で阿賀野市の70代女性は「医師の診断を受けたのに水俣病に認定されず、どういうことなのかと思っていた。行政に何とか考え直してもらいたい」と語った。
原告以外にも不服審査を申請している患者がおり、弁護団は今後、訴訟への参加を呼び掛けていく考え。
提訴について、花角英世知事と中原八一新潟市長はそれぞれ、「訴状が届いておらず、内容が分からないためコメントは控える」との書面を発表した。