野田の小4死亡で知事 県の責任 明言避ける 第三者委で問題検証へ - 東京新聞(2019年2月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201902/CK2019020102000161.html

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野田市の小学四年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で死亡した事件を受けて、森田健作知事は三十一日の定例記者会見で「こんなことが起きるなんて。わが子ですよ。よくできるなとパッと思いました」と沈痛な表情で語る一方、県柏児童相談所の対応を巡る県の責任については明言を避けた。 (村上豊
父親の勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件では、虐待の疑いで一時保護された心愛さんが年明けから長期欠席していたのに、柏児相が事件直前まで把握できなかった関係機関との連携不足や、自宅訪問をしていなかった点が問題となっている。
児相の対応に、森田知事は「一般論として家庭にどこまで踏み込めるかもある」「(児相は)虐待だけ請け負っているわけではない」としながらも、「どこかに油断がフッと入ったのかもしれない」と述べ、第三者委員会を早急に設けて問題点を検証する考えを示した。県の責任については「二度と起こさないことが責任」「第三者委員会(の議論)を見ていかなければならない」と述べるにとどまった。
県内では二〇一四年、市原市で父親=傷害致死罪で実刑確定=からの虐待の疑いで県中央児童相談所に一時保護された長男=当時八カ月=が、保護解除直後に暴行死した事件があった。県は昨年六月、「児相や市町村が情報を共有し、児童の安全確認を目視ですることが基本」とする検証委員会の報告書を公表したばかりだった。
県は、一月二十九日付で管轄する県内六つの児相に対し、安否確認が一カ月以上できていない児童がいないか緊急確認するように通知。いたら家庭訪問して安否を調べる。

◆再発防止へ合同委
野田市と市教育委員会は三十一日、市庁舎で会見を開き、学校や市、市教委などの対応を検証し再発防止策について検討する「(仮称)児童虐待事件再発防止合同委員会」を柏児童相談所と設置すると発表した。
今村繁副市長を委員長に関係部課長が委員を務め、柏児童相談所長にも参加を求める。
現場で対応する職員の声を反映させるため、実務レベルのワーキンググループも設ける。必要に応じ、法制面で弁護士の助言を受ける。
二月中に第一回を開催する方針。先月二十八日にスタートした内部検証は継続するが、第三者委員会の設置は見送る。
今村副市長は「一時保護から一年がたち、あいまいなことが多い。実態を明らかにすることを主眼にしたい」と述べた。 (林容史)