http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/nie/CK2019012302000184.html
https://megalodon.jp/2019-0123-1006-45/www.tokyo-np.co.jp/article/education/nie/CK2019012302000184.html
第五回の図書委員会NPC(Newspaper Conference=新聞会議)の参加は六人。行事続きで忙しく、記事は私が用意しました。「なし崩し」「檄(げき)を飛ばす」などの使い方が話題になった文化庁の「国語に関する世論調査」の五紙(東京・朝日・産経・毎日・読売、昨年九月二十六日)の記事を集めて事前に配布。読み比べの意図もありましたが、果たして…。
真奈さんが口火を切ります。「私もかなり間違って使っていると気づいた。『ガチ』が浸透していないのは分かるが『上から目線』も思ったより広まっていないのにびっくり」。麗華さんは「同じ言葉でも本来と違う意味で使われていると分かったので調べないと。それにしても、日本語はむずかしい」とポツリ。
「言葉の意味が変わっていくことは、少し心配。カタカナ表記は、名探偵コナンの映画の題『異次元の狙撃手(スナイパー)』で漢字をスナイパーと読ませるのを思い出した」と遥さん。それを受け「漢字のルビが正しくないのに通用するのは不思議だよ」と拓音くん。真鈴さんは「タメとかガチとか普通に使っているけど、高齢の方からすると普通ではなく、カタカナ用語は難しいと思う」。倫哉くんも「『ほぼほぼ』や『上から目線』を当たり前に使っていたが、年配の人はほとんど使っていないね」。
ここで真奈さんが「同じ調査なのに、新聞によって取り上げ方が違うよね」と指摘。ここで読み比べの話題かと私は期待したが、みんな「確かに」の一言ですませ、「カタカナって読みづらいね」と麗華さんが発言。「確かに。でもインパクトもある」と真鈴さん。「ビジュアルの問題もあるな」と拓音くん。倫哉くんが「そもそも記事に出てきた言葉って使う? 例えば『やおら』って初めて知った」と本音を暴露。「授業で習っても実際に使うことはあまりない」と遥さん。
「でも意味を理解して使うことが大切。話す相手によって使う言葉を考えることも」と麗華さんが鋭く切り込みます。真奈さんが、「私も皆の前で話すときや生徒会新聞を作るときは、正しく伝わる言葉を使い、友達への手紙はそこまで気を使わずに書く」。話が着地したと思ったら、拓音くんが「正しい言葉って何だ?」と一言。混迷の中、会はお開きに。(東京都公立中学校主任教諭・穐田剛)