(大弦小弦)日本の低迷ぶりは相変わらずだ。世界経済・・・ - 沖縄タイムス(2018年12月26日)

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日本の低迷ぶりは相変わらずだ。世界経済フォーラム(WEF)が発表した男女格差の度合いを国別に順位付けた2018年の「ジェンダーギャップ指数」。日本は149カ国のうち110位だった

▼政治、経済、教育、健康の4分野があり、前年より順位を上げたが主要7カ国では最下位。特に政治・経済分野で国会議員や女性閣僚、管理職登用など女性の進出が後退した

▼16年に女性活躍推進法が施行されたものの、女子を不利に扱う医学部の不正入試やセクハラの行為自体を禁止する法整備が進まないなど、世界に後れを取る要素ばかりが目に付く

▼簡単に改善されるものではないが、格差を身近なところからなくそうと動いた人もいる。菓子製造・販売ナンポー社長の安里睦子さんは、預貯金の法人口座名義に旧姓を使えるよう金融機関に働き掛け、使用が認められた

▼結婚で名字が変わる場合、書類など膨大な書き換え作業が必要なことや、キャリアを積んできた旧姓で仕事をしたい思いで打診。女性経営者として直面した壁に風穴をあけ、女性起業家を後押ししたいという安里さんの熱い思いだった

▼WEFは現状のままでは世界全体で男女平等の達成に108年かかると指摘する。格差なく働く環境や法整備は急務だが、働く側の意識や行動で格差をなくしていくことも必要だ。(赤嶺由紀子)