那覇市長に辺野古反対派 玉城知事が支援、現職再選 - 東京新聞(2018年10月22日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201810/CK2018102202000124.html
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任期満了に伴う那覇市長選は二十一日投開票され、無所属の現職城間幹子(しろまみきこ)氏(67)が、無所属新人の元沖縄県議翁長政俊(おながまさとし)氏(69)=自民、公明、維新、希望推薦=を破り、再選された。米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設に反対する玉城(たまき)デニー知事や野党が支援する城間氏が、安倍政権の推す翁長氏との「代理対決」を制した。玉城氏は、選挙期間中に国が県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に対抗措置を取ったことに関し「非常に強い憤りが投票行動に表れた」と話した。投票率は48・19%。
那覇市長だった翁長雄志(おながたけし)前知事の後継として四年前に当選した城間氏は、選挙戦では市政の継続を主張した。玉城氏も告示日から応援に入り、県政との連携や辺野古反対をアピールした。子どもの医療費や幼児教育の無償化を掲げ、野党や無党派層からも幅広い支持を得た。
玉城氏は那覇市内の城間氏の事務所で記者団に「辺野古に新基地は造らせない、平和な沖縄をつくる、といったさまざまな思いがこの選挙結果に込められた」と強調した。城間氏は「翁長雄志氏の遺志を継いだ選挙戦が評価されたことは、玉城県政にとっても力強い後押しになるのではないか」と話した。


当 79677 城間 幹子

  42446 翁長 政俊

      (選管最終)

◆市民の意思政府への警告
沖縄県知事選(先月三十日投開票)に続き、県都那覇の市長選でも、辺野古の新基地建設に反対する政党や団体でつくる「オール沖縄」勢力の支援候補が圧勝したことで、辺野古沿岸部の埋め立て工事を進める政府への県民の抵抗意識は一層、明確になった。政府がこれ以上、工事の既成事実化を図るなら、沖縄との対立をあおるだけになる。
オール沖縄の支援候補は今年に入り、二月の名護、三月の石垣、四月の沖縄の各市長選で連敗していた。だが知事選を節目に流れが変わった。市長選は那覇に先立つ今月十四日の豊見城(とみぐすく)でも勝利。これで県内十一市のうち、南城を含む三市が玉城デニー知事を支える市長となり、県政運営の追い風になるのは確実だ。
一方、沖縄の時流に逆らうかのように、政府は那覇市長選の選挙期間中の十七日、県による埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法に基づく不服審査を請求し、撤回の効力停止を申し立てている。
安倍晋三首相は十二日の玉城氏との初会談で、沖縄との対話姿勢を示したばかりだ。今回の結果は、もはや対話が形だけでは済まされないという県民、市民から政府への強い警告に聞こえる。 (村上一樹)