https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180823_63005.html
http://archive.today/2018.08.23-004438/https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180823_63005.html
東京電力福島第1原発の多核種除去設備(ALPS)で汚染水の浄化後に残る放射性物質トリチウムを含む水に、他の放射性物質も除去しきれず残っている問題で、排水の法令基準(1リットル当たり9ベクレル)を超えるヨウ素129の検出が2017年度に約60回あったことが22日、分かった。18年度も既に10回を超え、同様のペースで起きている。
ALPSの稼働日数が異なるため単純比較はできないが、15、16年度は基準超えが少なかった。原子力規制庁も実態を把握しており、フィルターの性能低下の可能性を指摘する。
東電は既設、増設、高性能の各ALPSの処理水の放射性物質濃度を定期的に測定。17年度のヨウ素129の測定結果は1リットル当たり40ベクレル以上が9回あった。9月18日に採取した処理水は62.2ベクレルに上った。
東電は、能力に問題はないとして「ALPSの運用継続による汚染水処理を優先している」などと説明。基準超えが続いても「敷地境界の空間放射線量の目標値(年間1ミリシーベルト未満)には影響がないように運用している」と強調する。
原子力規制庁の担当者は「基準超えの頻度増加は把握している。フィルターの性能低下が原因なら、交換で回復できるのではないか。ただ汚染水の放射性物質濃度は低減されており、直ちに問題とは言えない」と話した。
原子力規制委員会が認可した福島第1原発の実施計画では、ALPSの設置目的はトリチウム以外の放射性物質の濃度を基準値未満に下げることと明記している。