http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201807/CK2018071502000127.html
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世田谷区の砧図書館を拠点に、親子で本に親しもうと活動する「世田谷親子読書会」が今年、設立50年を迎えた。同い年の子どもとその親でグループを作り毎月、本を通じて学びを深め、本とともに成長してきた。15日には会員以外も参加できる記念イベントを開く。 (神谷円香)
会は一九六八年、同区砧のゆかり文化幼稚園の園児の保護者が始めた。今は少なくなったものの、こうした読書会はこのころ各地に広まっていた。初めは幼稚園児とその親だけだったが、後に小学生以降も引き続き活動するようになった。
幼稚園児のグループは皆「かしの木」と呼ばれ、小学校に上がる際、それぞれの学年グループの名前を決める。昔は「どんぐり文庫」「たんぽぽ」、近年は幼稚園で習った歌の歌詞から決めることが多く、「てんぐのうちわ」「キリンの夢」「トーテムポール」といった凝った名前だ。
園児のうちはおやつを楽しみに集まり絵本に親しみ、小学生になると自分たちで扱う課題本を選んだり、感想を言い合ったりする。図書館の集会室だけでなく、原作を読んでその映画を見たり、美術館へ行ったりと活動の場はさまざまだ。
事務局代表の稲葉祐江(さちえ)さん(45)は「先輩グループの記録を見て、この年齢だとこんな課題本を読むんだ、と参考になる。親も自分では選ばない本を読む良い機会にもなる」と話す。受験や習い事で参加が難しくなり、人数が減り解散してしまうグループも時にはあるが、続くグループでは高校生になっても親子そろって参加する。
秋に発行の五十周年記念誌には、参加者のメッセージが並ぶ。「思ったことを自由に言い合える場」「物事を多角的に見ることは楽しいと学んだ」「メンバーとは、今でも適度な距離感でつながることができている」など。
十五日午後一時半〜三時、世田谷区立千歳小学校体育館で、記念イベントの一環で空気で遊ぶ科学実験ショーがある。参加無料。問い合わせは、世田谷親子読書会=メールsetagayaoyako50@yahoo.co.jp。