「子どもの虐待ない社会を」 プロジェクト発足 ネット署名呼び掛け - 東京新聞(2018年6月22日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018062202000136.html
https://megalodon.jp/2018-0622-0904-09/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018062202000136.html

東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5つ)が死亡し、両親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された事件を受け、「なくそう! 子どもの虐待プロジェクト2018」が発足し、メンバーらが二十一日に都内で記者会見した。メンバーは「虐待死がない社会を作っていくため、制度や法律、予算を変えたい」と訴え、児童相談所の体制強化など八つの政策を提案。インターネットでの賛同署名を呼びかけた。
プロジェクトはNPO法人や研究者、医師など多様な分野で活動する百七十四人が共同発起人を務める。虐待を食い止める力になろうとイラストエッセイスト犬山紙子さんらが結成した「こどものいのちはこどものもの」のメンバー五人も名前を連ねている。
児相の人員増や常勤弁護士の配置のほか、児相と警察の情報共有についての検討や、里親の増加を支援することなど具体策をまとめ、月内に厚生労働省と東京都に提出する予定だ。賛同者を募るネット署名は、十四日から一週間で九万六千人以上集まった。
日本小児科学会の推計では、国内で虐待で死亡した可能性がある子どもは毎年三百五十人程度に上る。発起人の一人で、NPO法人フローレンス代表理事駒崎弘樹さんは「結愛ちゃんは氷山の一角。児童福祉にかかわる人だけでなく、分野を超えて共感が広がっている機運をとらえ、国や都を動かしていきたい」と力を込めた。 (小林由比)