「共謀罪」成立1年 「監視社会強化招く」 - 東京新聞(2018年6月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html
https://megalodon.jp/2018-0616-0914-54/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000139.html

犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法が成立して一年となった十五日、同法の廃止を求める集会が東京・永田町の星陵会館で開かれた。人権問題に詳しい有識者らから「監視社会につながる」といった問題点の指摘が相次いだ。 (山本哲正、原昌志)
法律家団体や非政府組織(NGO)、市民団体、消費者団体、労働組合などでつくる「共謀罪廃止のための連絡会」が主催し、約三百人が参加。
法律家らでつくる自由人権協会代表理事の芹沢斉(ひとし)・青山学院大名誉教授は、一年前に与党が参院法務委員会で採決を省略する異例の手続きで議論を打ち切り、参院本会議で採決を強行したことを振り返り「こんな暴挙をしたのは、近代刑法の原則に違反する悪法だからだ」と指摘。「『犯罪』をかぎつけ、立証するには通信の秘密やプライバシーを侵害する捜査手法が伴う。人権からも大いに問題がある」とも述べ、「皆さんと一緒に廃止に向かっていきたい」と呼び掛けた。
弁護士有志らでつくる「共謀罪対策弁護団」の海渡雄一弁護士は、市民のプライバシー情報が集まるIT企業の警察への情報提供について複数の市民団体でアンケートをとったところ、国内大手八社から回答がなかったことを報告し、情報収集に対する監督機関の必要性を指摘。「市民が自由に発言できるよう改憲をくい止め、共謀罪法、秘密保護法を廃止することが戦争への道を止める」と訴えた。