森友文書 書き換え認める 財務省、あす報告 - 東京新聞(2018年3月11日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201803/CK2018031102000133.html
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財務省は十日、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書に書き換えがあったと認める方針を固めた。契約の「特殊性」といった当初の記述を削除した例が複数判明したとの調査結果をまとめ、十二日に国会に報告する。関与した近畿財務局の担当職員や本省幹部らの懲戒処分を今後検討する。複数の政府関係者が明らかにした。野党は「政権の隠蔽(いんぺい)体質」への批判を強める構えで、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相政治責任を問う声が与党で高まる可能性もある。
決裁文書の国会提出時に担当局長だった佐川宣寿(さがわのぶひさ)国税庁長官が九日付で辞任するなど混乱が拡大しており、事態の収拾は見えない。財務省自らが書き換えの事実を認めることによる政権への打撃は大きく、国政を昨年来揺るがしてきた森友問題は重大局面を迎えた。
書き換えがあったのは、二〇一六年六月に森友側と国有地の売買契約を結ぶ際の決裁文書に添付した調書など。当初の文書に記載されていた交渉経緯や「特殊性」といった文言が、国会議員らに昨年開示された文書からは削除されていたことが分かった。書き換えの時期や関与した職員の全容、何のために書き換えたのかといった点に関しては引き続き調べる。
これに関連して複数の法務・検察幹部は取材に対し、要請があれば決裁文書原本の写しの提供を検討する意向を示した。
十日、公明党山口那津男代表は麻生氏の政治責任に言及。「(麻生氏は)政治的責任を負う中で、状況全体を把握し、とにかく説明責任を尽くしてもらいたい」と強調した。
一方、野党の立憲民主党幹部は「仮に麻生財務相引責辞任しても、それだけで国民の理解は得られず、済まされない。安倍内閣は総退陣すべきだ」と取材に答えた。
森友問題では大阪地検特捜部が、国有地を不当に安く売却したとする背任容疑や、学園との交渉記録を廃棄したとする公文書毀棄(きき)容疑などの告発を受理している。