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逃げ切れると思ったら大間違いだ――。学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に新設予定の岡山理科大獣医学部の認可の方向がほぼ決まった。文科省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が、2日の非公式会合で開設を了承したのだ。
3日の新聞各紙には「加計獣医学部認可へ」の見出しがずらり。非公式会合の結果が一斉にメディアに出たのは、設置審の情報をリークすることで、認可から開学に向けた“既成事実”をつくって押し切ろうという官邸サイドの狙いがあるからだろう。
ところが、そう簡単にコトは運ばない。認可されても、「補助金」をめぐる問題があるからだ。192億円に上る総事業費のうち、今治市は愛媛県の支援を受けて最大で96億円の補助金を学園側に出すとしている。しかし、“頼みの綱”である県が、どれだけ補助を出すか全く見通せない状況なのだ。加計学園問題を追及する福田剛愛媛県議がこう疑問を投げる。
「96億円の負担分のうち、市は『市が64億円、県が32億円負担する』と主張してきました。一方、県は一貫して『認可が決まったら市からの請求金額を精査して払う』というスタンスです。ところが、96億円の算定根拠が不明なうえに、精査しようにも図面などの資料が出てくるのか分かりません。根拠不明な見積もりにどうやってお金を出せばいいのでしょう。県がどこまで補助するかは議会で決めることなので、どうなるか分かりませんよ」
■「政府説明納得せず」が約8割も
今後、補助金をめぐって県議会は紛糾必至だが、一方、国政においては野党議員の間で、民進党の「加計学園疑惑調査チーム」再開に向けた動きが出ている。
「先の衆院選で野党が分裂してしまったため、超党派なのか、各党もしくは無所属の議員が集まって再開するのか未定です。ただ、認可まで時間がないので、来週中に『何らかの形』でやろうと考えています」(希望の党議員)
衆院解散前に共同通信が行った世論調査では、森友・加計学園問題に関する政府の説明に対して、「納得できない」が約79%で、「納得できる」が約14%だった。「謙虚」という言葉を繰り返す安倍首相である。さらなる説明なくして、認可決定なんて許されない。