「少年らの気持ち分からぬ」 チビチリガマ遺族、言葉詰まらせ - 琉球新報(2017年9月17日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-576900.html
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沖縄戦の際に住民が「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた沖縄県読谷村波平の自然壕チビチリガマを荒らしたとして沖縄県警嘉手納署が少年4人を逮捕した翌日の16日、遺族らは朝からガマ周辺を掃除し、立て看板や歌碑を元の状態に戻した。逮捕を受け、遺族からは「『肝試し』とはショックだ」「チビチリガマの悲劇を知っていたら、できるはずがない」と悲痛な声が漏れた。事件を知って、花を手向けに訪れる人の姿もあった。
「誰が指示したんだろう。どうして。遺品は壊さないでしょう」。遺族会の与那覇徳雄会長(63)は引きちぎられた千羽鶴を一束一束つり下げ直し、つぶやいた。「少年たちの気持ちが分からない。肝試しで遺品を壊すなんて、どう受け止めたらいいのか」と言葉を詰まらせた。
遺族と共に「世代を結ぶ平和の像」を制作した金城実さん(79)もこの日、ガマを訪れて崩された石垣を直した。「なぜここまで破壊したのか。遺族は重い苦しみを背負わされた」と怒りをにじませた。県警に「肝試しというのは詭弁(きべん)では。ほかに関係した人がいないのか、明らかにしてほしい」と望んだ。
朝刊を見て逮捕を知ったという地元の波平自治会の知花安友会長(59)は、少年たちの動機が肝試しだったことに「地域の子どもたちは親と来る。これまで肝試しが行われていると聞いたことがない」と語る。今後は「公民館で子どもたちを集めて、戦争体験を伝えていきたい」と話した。
石嶺伝実読谷村長は「怒りを通り越して悲しくなった。土足で足を踏み入れる場所ではない。沖縄戦の風化がそうさせているのか」と懸念。「歴史や意味を知らないで行為に及んだのだろう。教育の中で、小さい頃からチビチリガマのことを教えていきたい」と話した。