「テロ等準備罪」新設法案 参院で参考人質疑 - NHKニュース(2017年6月1日)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170601/k10011002841000.html
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共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐり、参議院法務委員会で参考人質疑が行われ、処罰の要件が適切に厳格化されているという意見の一方、捜査機関が恣意的(しいてき)な運用をするおそれがあるという指摘が出されました。
共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する法案は、テロ組織や暴力団などの組織的犯罪集団が、ハイジャックや薬物の密輸入などの重大な犯罪を計画し、メンバーの誰かが、資金または物品の手配、関係場所の下見、そのほかの準備行為を行った場合、計画した全員を処罰するとしています。

1日行われた参議院法務委員会での参考人質疑で、自民・公明両党が推薦した弁護士の西村幸三氏は、「国際組織犯罪防止条約で導入が義務づけられている共謀罪と参加罪のうち、法案は、結社の自由に配慮して共謀罪型を選択し、しかも絞りを二重にかけて準備行為を必要とし、組織的犯罪集団を対象とすることを要求している。世界の法制でもおそらく例を見ないくらいリベラルなものとなっていて、適切な絞り込みだ」と述べました。

民進党が推薦した青山学院大学の新倉修名誉教授は、「条約の批准は、国際法的にはそれぞれの国の憲法および法手続にしたがって承認が行われる手続きだ。国内法を整備しないと批准できないというのは国際法上の要請ではなく、政府の都合だ。法案を早く通して条約を批准しないと日本が肩身の狭い思いをするというキャンペーンはおかしい」と述べました。

共産党が推薦した立命館大学大学院の松宮孝明教授は、「捜査機関によって準備行為と見なされるものは無限にあり、誰が検挙され処罰されるかは法律ではなく運用者によって決まる。これは近代法の求める法の支配ではなく、運用者による人の支配だ」と述べました。