共謀罪、反対派「自由の危機」参院委、法律家を参考人質疑 - 中日新聞(2017年6月2日)

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参院法務委員会は1日、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案に関し、法律専門家を招いて参考人質疑を行った。賛成派は国際犯罪対策上の必要性を訴え、反対派は「自由の危機だ」と主張した。 
西村幸三弁護士は、政府が共謀罪新設の根拠としている国際組織犯罪防止条約TOC条約)の締結のため法案が必要だと強調。「構成要件が謙抑的だ。処罰範囲を狭めたリベラルなものになっている」として賛成を表明した。
一方、立命館大法科大学院松宮孝明教授は「条約批准に共謀罪は不要だ。市民の内心が捜査と処罰の対象となり、市民生活の自由と安全が危機にさらされる。戦後最悪の治安立法となる」と主張。青山学院大の新倉修名誉教授は「TOC条約、オリンピック、テロ対策という掛け声だけで、今までの刑法の原則をひっくり返すような新しい共謀罪刑法を作ろうとしているのは不可解だ」として必要性を否定した。
一般質疑では、民進党有田芳生氏がオウム真理教事件を取り上げ、「凶悪事件に関与したのはごく一部なのに、一般信者も調べられた」として、共謀罪が成立すれば一般市民が捜査対象になる恐れを追及した。
松本純国家公安委員長は「犯罪の疑義が生じていない人を捜査したわけではない」と反論、有田氏は「元信者も含めて8千人以上の個人情報がデータベース化されていると明らかになっている」と懸念を示した。