安倍晋三首相のもうひとつの系譜 - PRESIDENT Online(2017年2月18日)

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『安倍三代』青木理 (著) 朝日新聞出版

安倍三代

安倍三代

三代目の安倍首相は逆に、自分のことを「安倍晋太郎の息子」ではなく「岸信介の孫」と語っていた。彼の祖父に対する敬慕の念は強く、著者はこんなエピソードにも触れている。それは、彼が高校生時代、教壇に立った教師日米安保条約を批判したときのことだ。晋三氏は「安保には経済条項もある。そこには両国間の経済協力も書かれている」と反論したという。

もちろん、いかに政治家として功成り名を遂げた祖父や父を持とうと、個人の思想・信条は自由である。ただ現首相の場合は、それが極端に岸信介氏に似ている。祖父が安保改正を力ずくで押し切ったように、集団的自衛権の行使容認をゴリ押し。さらに、憲法改正を数の力で推し進めようとしている。そのことを著者は、祖父を真似ただけの空疎さと書くが同感である。(ジャーナリスト 岡村繁雄=文)

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