美濃加茂市長、市議会で辞職表明 出直し選出馬へ - 日本経済新聞(2016年12月7日)

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD07H0H_X01C16A2000000/
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受託収賄罪などに問われ、名古屋高裁で逆転有罪判決を受けた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(32)=上告中=は7日、市長を辞職し、出直し市長選に立候補する意向を明らかにした。市議会本会議で「選挙で市民の審判を仰ぐことを決意した。潔白を訴えたい」などと述べた。19日付で辞職する。
藤井市長は7日午前、本会議の冒頭で「不当な控訴審判決と闘いながら市長職を続けることについて、市民の皆さんに認めていただけるかどうかをはっきりさせたい」などと強調。そのうえで「私の容疑は事実無根で予想外の判決。最高裁で覆されると信じている」と語った。
市長辞職のタイミングについては「一日も早い決断が必要。(来年1月に投開票の)岐阜県知事選を見越して、(辞職を)この時期にしなければならない」と述べた。藤井市長は来年6月に任期満了を迎える。刑が確定していなければ、立候補できる。
公職選挙法は、市長の辞職の申し出を受けた市議会議長が市選挙管理委員会に通知した50日以内に選挙を実施すると定めている。藤井市長が出直し選に再選した場合、任期は現状と同じ来年6月までとなり、同5月に改めて任期満了に伴う市長選が行われる。
藤井市長は美濃加茂市議だった2013年3〜4月、設備会社社長から学校への浄水設備導入に便宜を図るよう依頼を受けた見返りに、現金計30万円を受け取ったとして、14年に起訴された。
15年3月の一審・名古屋地裁判決は無罪だったが、名古屋高裁は今年11月28日、懲役1年6月、執行猶予3年、追徴金30万円の逆転有罪判決を言い渡した。藤井市長側は判決を不服として、即日上告した。
今後、最高裁は二審判決に憲法違反や重大な事実誤認がないかなどを検討し、有罪・無罪、審理の差し戻しを判断する。有罪が確定した場合、公選法などの規定で失職する。