辺野古移設訴訟 結審 翁長知事「確定判決に従う」 - 毎日新聞(2016年8月19日)

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米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の県内移設計画を巡り、移設先の名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した処分に対する是正指示に従わないのは違法として、国が翁長雄志(おなが・たけし)知事を相手取った違法確認訴訟の第2回口頭弁論が19日に福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)であり、結審した。翁長知事は本人尋問で「確定判決に従う」と明言。一方で弁論後の記者会見では「(敗訴しても)あらゆる方策で県内移設を阻止するのが公約だ」と強調した。辺野古移設を巡る初の司法判断となる判決は9月16日に言い渡される。
翁長知事の本人尋問は代執行訴訟を含めて2回目。質問は3月の代執行訴訟の和解成立以降の出来事に限定されて実施された。翁長知事は「確定判決に従う」としたが、国側代理人による反対尋問の中で「(和解時点で)違法確認訴訟を予測しておらず、(判決後の相互の協力を確約した)和解条項の効果は及ばないと考える」とも述べた。
翁長知事は県側の主尋問では、「県は国に協議を求めており違法ではない。国の主張がまかり通れば民主主義と地方自治に深刻な禍根を残す」と訴えた。
高裁判決が出ても、敗訴した側が上告するのは確実で、最高裁判決は年度内にも言い渡される見込み。仮に県が負けても、埋め立て承認の「撤回」や、工事の設計変更が生じた場合に承認をしないなどの対抗策が考えられ、全面解決にはなお曲折が予想される。【吉住遊、佐藤敬一】