(相模原19人刺殺)容疑者の主張は日本に根付く障害者“根絶”思想そのもの! つい最近まで日本も法律で障害者を断種していた - TOCANA(2016年7月27日)

http://tocana.jp/2016/07/post_10447_entry_2.html

■日本にも20年前まで障害者を排除する法律があった
しかし、実はこのような優生思想に基づく国家的な差別と虐待が、ここ日本で、しかも近年に至るまで脈々と受け継がれてきたことを、今回のような凶悪事件を機として私たちはもう一度確認するべきだろう。
ナチス・ドイツと同時期、大日本帝国においても国民皆兵大和民族の健康維持という名のもと優生思想が広く浸透しており、1940年には「国民優生法」が成立。「劣悪な遺伝性疾患の素質を持つ者の増加を防ぎ、健全な素質をもつ国民の増加を図る」「戦争遂行のために、国家に奉仕できない者を養う必要はない」として遺伝性の身体障害者精神障害者(現代における統合失調症躁うつ病てんかん等も含む)、さらに当時は完治することが難しかったハンセン病患者や、重度のアル中患者に対する強制的断種が合法化されてきた経緯があるのだ。
そしてこの国民優生法は、第二次世界大戦後に「優生保護法」と名を変えたが、本人の同意なしに強制的断種(優生手術)を実行できる制度は受け継がれた。それだけならまだしも、強制的断種の対象が「らい病」や「遺伝性以外の精神病」にまで拡大されたのである。1949〜94年の間に、優生思想に基づく断種が実に16,000件以上も行われたとの統計もある。このような不条理な法律は、1996年になってようやく「母体保護法」に改正され、現在は優生思想に基づく強制的断種が行われることはなくなった。しかし我が国において、わずか20年前まで、障害者を強制的に社会から排除する仕組みが維持されてきたことは紛れもない事実なのだ。