http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK18H2E_Y6A710C1000000/
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)の加盟28カ国の外相らは18日、ブリュッセルでケリー米国務長官と、トルコのクーデター未遂を巡る対応などを協議した。エルドアン政権に対し、事件の捜査や再発防止策の検討にあたって強権的な手法を慎み、民主的な対応をとるよう要請。同国が死刑制度を復活させればEU加盟ができなくなるとけん制した。
米国とEUはエルドアン大統領が事件の再発防止に向けて強権的手法をさらに強めるとの警戒感を強めている。EU外相らとの会合後に記者会見したケリー長官はトルコ政府に対し、「民主主義的な制度と法の支配」を維持するよう要請。クーデター未遂を起こした軍関係者らを厳しく処罰する構えをみせるエルドアン政権に自制を促した。
トルコのユルドゥルム首相はクーデター再発を防ぐため、死刑制度の復活にも言及。EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は18日、「死刑制度を導入すれば、EU加盟国になれない」と強調した。死刑制度の廃止はEU加盟の条件で、EU加盟を目指すトルコは2002年に廃止していた。
エルドアン政権はクーデターの黒幕としてイスラム教指導者のギュレン師を糾弾し、米政府に引き渡しを求めたとしている。ケリー長官は18日の記者会見で、正式な要請はトルコ側から受けていないと語った。