http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016061902000135.html
http://megalodon.jp/2016-0620-0922-27/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201606/CK2016061902000135.html
選挙権年齢を「二十歳以上」から「十八歳以上」に引き下げる改正公選法が十九日午前零時に施行された。十八、十九歳の約二百四十万人が新たに有権者に加わる。初めて適用される国政選挙は七月十日投開票の参院選で、「二十五歳以上」から「二十歳以上」に引き下げて行われた一九四六年の衆院選以来、七十年ぶりの改革となる。若者の意見をより政治に反映させるのが狙いだ。
同時に、自治体の判断で投票日に人の集まりやすい場所に「共通投票所」を設置できる改正も施行。期日前投票の投票時間を現行の原則午前八時半〜午後八時から、自治体の裁量で前後最大二時間拡大できるようになる。
各党は公約に被選挙権年齢の引き下げも盛り込んでおり、今後議論される。現行で二十歳の成人年齢や少年法対象年齢を下げるかどうかも検討が始まっている。
参院選で投票できるのは投票日翌日の七月十一日までに十八歳の誕生日を迎える人。十八歳から選挙運動が可能となり、高校生が放課後や休日に校外で行う政治活動や選挙運動も文部科学省が容認した。十八、十九歳の未成年者が買収など連座制の適用対象となる重大な選挙違反を犯し、選挙の公正確保に支障を及ぼす場合は原則、刑事処分が相当と判断して検察官送致(逆送)とする規定を改正法の付則に明記した。
選挙権年齢の引き下げは参院選公示日(六月二十二日)以降に告示される地方選にも適用されるため、六月二十六日告示−七月三日投票の福岡県うきは市長選、六月二十八日告示−七月三日投票の滋賀県日野町長選に複数候補が出て選挙戦になった場合、参院選より一足早く、全国で初めての「十八歳選挙」が実施される。<選挙権年齢> 戦前、25歳以上の男子にしか認められなかった選挙権は、戦後の民主化に伴い、1945年から20歳以上の男女すべてに与えられ、翌46年の衆院選で適用された。世界では18歳以上に選挙権を与えている国が多く、日本では改憲に必要な国民投票の投票年齢を「18歳以上」にしたことを受け、2015年6月の公選法改正で「18歳以上」に拡大した。全有権者中、18歳と19歳の占める割合は約2%。今後、成人年齢と少年法の対象年齢引き下げの是非が課題となる。