亡命中エドワード・スノーデン氏、日本の危機を生中継で指摘(1/2) - シネマトゥデイ(2016年6月4日)

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「日本社会の現状をどう見るか」との質問が出ると、同氏は「特定秘密保護法以降、安倍政権の静かな圧力、インセンティブ(見返り)を伴う圧力がメディアにかかり、危機的な状態では? 視聴率のいいニュース番組のアンカーマンが降板させられている」と指摘したうえで、「ジャーナリズムの役割は政府のいい点、悪い点を評価し、いつ権力の逸脱や乱用があったか、国民に知らせることにあって、それがなければ民主主義の議論は成熟しない」と議論を展開した。
インタビューの最後、さらにスノーデン氏は「結局、プライバシーとは、あなたが公開したくないことは公開しなくていい権利、あなた自身である権利だと思う」と切り出し、「無制限の監視ではプライバシーは社会のものになり、人権侵害の問題に行き着く。政府の方針に任せるのでなく、市民が社会の主役となり、監視のリスクを議論すべきです」と力説した。

今月11日から「スノーデン事件」の一部始終を収め、第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開される。彼が“シチズンフォー”というコードネームで同作の監督ローラ・ポイトラスにメールで接触したのを発端に、香港のホテルでジャーナリストを前に驚くべき証言を明かし、そのスクープ記事が「スノーデン事件」として世界を揺るがす過程が、リアルタイムで記録されている。(取材/岸田智)

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』は6月11日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開