学費「苦しむ若い方々へ」 読者から善意の1000万円届く - 東京新聞(2016年5月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016052402000118.html
http://megalodon.jp/2016-0524-0913-27/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201605/CK2016052402000118.html

今年一月から連載中の「新貧乏物語」を読まれた方から、現金一千万円が東京新聞社会部に届き、本紙は二十三日、就学支援など貧困家庭の子ども支援に取り組む公益財団法人「あすのば」(小河光治(おがわこうじ)代表理事、東京都港区)に全額を寄付しました。
現金は二月八日、「平等」の差出人名で届きました。書面一枚が添えられ、「毎朝、毎日、読みながら暗澹(あんたん)たる気持ちが募りました」などと連載への感想が記されていました。
一月の連載は「悲しき奨学金」として、多額の奨学金返還を背負う大学生の窮状を取り上げました。
書面には、連載初回に実名で出た大学生佐藤寛太さん(23)の名前も記され、「佐藤寛太さんはじめ苦しむ若い方々へ直接届くようなご配慮をお願い申し上げます」と結ばれていました。
本紙は差出人の所在を捜しましたが、該当する方を確認できず、書面の意思に沿う寄付先を探しました。
その結果、佐藤さんが理事の一人を務める「あすのば」に応じていただき、五月二十二日、あすのばの理事会で寄付の受け入れが正式に了承されました。
あすのばは昨年六月に設立。寄付を募り、小中高校生らに返済不要の給付金を支給するなどの活動を展開しています。
公益財団法人「あすのば」の小河光治代表理事 光の当たらない貧困家庭の子どもたちのために、学生たちが声をからして、街頭募金を続けました。そんな彼らの思いを受け止めてくださり、感動、感激しています。いただいた寄付のうち半分は、あすのばの本年度の「入学・新生活応援給付金」に使わせていただきます。残りは、「被災地子ども応援給付金(仮)」を新設し、一人親世帯など経済的に厳しい状態にある熊本地震の被災者の支援に充てさせていただきます。

新貧乏物語を掲載した2016年1月3日の朝刊社会面

新貧乏物語:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/binboustory/list/