<選挙>御坊市長選 柏木氏が7選 分裂選挙、基盤揺るがず /和歌山 - 毎日新聞(2016年5月23日)

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22日投開票された御坊市長選は、無所属の現職、柏木征夫氏(75)が、二階俊博自民党総務会長の長男で元政策秘書の無所属新人、二階俊樹氏(51)=自民、公明推薦=を破り、現役市長で全国最多の7選を果たした。かつて二階総務会長に擁立された柏木氏と長男が争う「二階王国」の分裂選挙となった。
当日有権者数は1万9862人(男9308人、女1万554人)、投票率は78・10%(前回58・25%)だった。
当選が決まると、柏木氏は御坊市島の事務所に姿を見せた。集まった支持者らとバンザイをし、「一人一人が巨大な力に勇気をもって立ち向かってくれた結果だ」と喜びを語った。
選挙戦では「ぶれない、偏らない、威張らない」の信条と、津波タワー建設など6期24年の実績、財政調整基金を約11億円積み上げた財政手腕を強調。衆院選では二階総務会長を支持する経済界や主要産業の花卉(かき)農家などに加え、自民以外の政党支持層からも支持を集めた。【山本芳博、稲生陽】

◇組織戦及ばず 二階氏
二階氏は御坊市薗の小竹八幡神社前で支持者に「一生懸命支えてもらったが結果に結びつけられず、おわび申し上げる」と頭を下げた。
選挙戦では、人口減少問題や防災への取り組みを公約に掲げ、世代交代をアピール。選挙期間中、自民、公明両党の国会議員が多数応援に入り、国政選挙並みの態勢で組織戦を展開したが、及ばなかった。【倉沢仁志】
投票率20ポイント増
御坊市長選の投票率は78・10%と、過去最低だった前回の58・25%を約20ポイント上回った。期日前投票も6日間で4125人に上った。保守層を支持基盤とする有力候補同士の争いとなったことで有権者の関心が高まったためとみられる。
御坊市長選の投票率は1988年が81・59%、柏木氏が初当選した92年は無投票、再選した96年は69・44%で過去最低となり、6選を果たした前回も最低を更新していた。【山本芳博】

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■視点
◇保守層以外も支持
「二階王国」を二分した保守分裂選挙は、組織力では圧倒的に不利な立場にあった現職の柏木氏が勝利した。支持基盤が重なる柏木氏と二階氏による激しい選挙戦は、人口約2万4500人のまちに大きなしこりを生んだ。
背景には、両陣営の誤算があった。二階氏側は、第三者か二階氏が立候補すれば柏木氏が引退すると考えていた。しかし、柏木氏は引退を迫る動きに反発して立候補した。
一方柏木氏側は、第三者を擁立しようとしたが、実現できなかった。更に二階俊博自民党総務会長が前面に出て、国政選挙並みの選挙戦を繰り広げるとは「予想外だった」という。
「御坊刷新」を訴える二階氏に対し、柏木氏は「しがらみのない堅実な市政運営」を掲げ、保守層以外にも支持を広げた。7選を果たした柏木氏には、今後4年間で両陣営に残ったわだかまりを解消し、自身が掲げたような偏りのない健全な市政を実現することが求められる。【山本芳博】

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◆開票結果
御坊市=選管最終発表

当 9375 柏木征夫 75 無現

  5886 二階俊樹 51 無新

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御坊市
柏木征夫(かしわぎ・いくお) 75 無現(7)
御坊市五ケ町病院経営事務組合管理者▽御坊広域行政事務組合管理者[歴]県副課長▽京大