絵本で平和考えよう 横浜のママ、原画作品展企画「気軽にきて」:神奈川 - 東京新聞(2016年5月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201605/CK2016051502000145.html
http://megalodon.jp/2016-0515-0954-16/www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201605/CK2016051502000145.html

原ゆたかさんや、かこさとしさんら絵本作家63人が描いた原画を展示する「絵描きたちのメッセージ展」が17〜22日の6日間、横浜市内で開かれる。反戦・平和をテーマに昨年から都内を中心に開かれている作品展で、県内では初めて。主催する「虹色カフェよこはま」(同市西区)の湯浅佳子代表(44)も「みんなで平和を考える場になれば」と楽しみにしている。 (梅野光春)
湯浅さんが開催するきっかけになったのは、インターネットだった。「お母さんと子どもで、いのちや政治を考える方法はないかな」。一月末、そんな気持ちでネットを見ていたら「子どもの本・九条の会」(東京都)に所属する絵本作家による作品展を知った。
資金はネット上でお金を募るクラウドファンディングを活用。知人のイラストレーターが制作を引き受けてくれたチラシは保育所で配ったり、スーパーの掲示板に貼ったり。既に一万枚を配り終えた。
こうして準備そのものは着々と進んだのだが−。
さかのぼれば昨夏。「まさか自分が生きているときに、こんな法律ができるとは」。安全保障関連法案の審議が進むのをみて、湯浅さんは反対運動に参加し始めた。いくつかの集会に足を運んだが、どこに行っても同じ顔触れに会う。
「もっと、議論の裾野を広げたい」と思った湯浅さんは昨年十月、育児中の女性四人で「虹色カフェよこはま」をつくった。カフェと名乗っても店はない。誰でも入りやすいようにという気持ちを込めた。
さっそく十一月に絵本の読み聞かせ会を開いた。「でも参加者は身内だけ。実質的にはゼロだった」と湯浅さん。散々なスタートだったが、めげずに月一〜三回のペースで料理教室などを開き、三十人ほどが集まることもあった。
それでも、憲法や平和の話を始めると、スッと引いてしまう人が多く、考えを伝えられない。もどかしさを抱えているとき、この作品展を見つけたのだった。湯浅さんは「絵本なら、ママ友同士で気軽にきてもらえそう」と期待している。
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展示は▽十七〜二十日=エリスマン邸(横浜市中区元町一)▽二十一、二十二日=横浜YWCAギャラリー(同市中区山下町)で。入場無料。YWCAギャラリーでは▽二十一日 フェリス女学院大の常岡せつ子教授を招き「親子わくわく憲法教室〜どんな未来を描こう?」(要予約、参加費千五百円)▽二十二日 絵本作家ひろかわさえこさんの講演会「子どもたちに、のこすもの」(要予約、五百円)−も開く。
問い合わせは、虹色カフェよこはまの松崎雅美さん=電090(2050)6672=へ。