千葉)憲法記念日、山田洋次監督が松戸で講演 - 朝日新聞(2016年5月4日)

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憲法記念日の3日、市民団体が集まって開いた「松戸憲法記念日の集い」に山田洋次監督が招かれ、同市民会館で講演した。山田監督は「男はつらいよ」のエピソードなどから憲法生存権や平和を語り、約1500人が耳を傾けた。
山田監督は、「男はつらいよ」で「寅さん」が健康保険に未加入と描いたところ、国の役人から「寅さんのような人にも入ってもらうのが我々の仕事」と手紙が届いた逸話を披露。「本来、行政が(制度が必要な)人を見つける努力をすることを、(生存権を保障する)憲法25条は命じているんじゃないのか」と語った。また寅さん役の故・渥美清さんについて「(子どもの頃)貧しくて体が弱かったということは彼の人生の重要なモチーフで、常に弱い人の立場に立つことをした。差別がある世の中に全身で抗議し続けた」と振り返った。
最近の映画館では本編上映前に「静粛に」「前の席を蹴らない」などの注意があることについて山田監督は、「映画館の中一つとっても、管理されることに慣れてきている」と話し、講演をこう締めくくった。「みんなが笑い、いすの背中を蹴飛ばすような映画こそつくりたいって気持ちが、今、僕にあるわけです」