相模原中2自殺 児相の担当者、暴行報告怠る 小6からSOS - 東京新聞(2016年3月23日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032302000137.html
http://megalodon.jp/2016-0323-0857-40/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016032302000137.html


両親から虐待を受け相模原市児童相談所(同市中央区)に通所していた市内の中学二年の男子生徒=当時(14)=が二〇一四年に自殺を図り、先月末に死亡した問題で、生徒が小学六年の一三年秋から「家に帰りたくない。施設に行きたい」と、市側に繰り返し訴えていたことが分かった。
また、生徒が一四年十一月に自殺を図った直前、父親に投げ飛ばされる暴行を受け、学校側が児相に連絡したものの、児相の担当者は上司に報告せず、所長の職権で強制的に保護する措置が取られなかったことも分かった。
児相によると、一三年、当時小学生だった男子生徒の顔にあざがあるのを見つけた学校が虐待を疑い、市へ通告。その後生徒は祖父母宅と自宅を行き来する生活をし、市側に繰り返し施設への入所を求めた。
この間、児相は両親と六回面談。一四年十月上旬に母親の体調不良を理由に面談が中止となったため、一時保護を提案したが、両親は同意しなかった。
生徒は同月下旬、父親から投げ飛ばされ、ベッドで脇腹を打った。児相の担当者は学校からの報告で把握したが、「毎日通学し、学校で変わった様子は見られなかった」などの理由で上司へ報告せず、生徒とも面談していなかった。
児相の鳥谷明所長は二十二日の記者会見で「一時保護を含めた対応を検討すべきだった。対応の是非を検証していく」と話した。
◆「約束守らず手上げた」生徒小6時 母が涙で説明
男子生徒の母親が二十二日、自宅前で報道陣の取材に応じ、生徒が小学六年の秋、約束を守らなかったことがきっかけで父親が手を上げたことを明らかにした。
母親は「自分も手を上げたことはあったが、息子との関係が良くなるように夫婦で話し合ってきた。やり切れない思いでいっぱいだ」と涙を流した。母親は「自殺の兆候に気付けなかったのは母親の責任」と述べた。
男子生徒が通っていた中学の教頭も同日、取材に応じ「学校としては精いっぱいの対応をしてきたつもりだが、結果を踏まえれば、至らなかったことがあったのだと思う」と悔やんだ。
◆あり得ない対応だ
NPO法人「シンクキッズ−子ども虐待・性犯罪をなくす会」代表の後藤啓二弁護士の話> 男子生徒からSOSがあったのに保護しなかった対応はあり得ない。生徒の両親が「(児童相談所に)もう来られない」と指導に応じなくなったのは虐待がより深刻化するサインだった。親と対立しないよう配慮するあまり、子どもの命を守れないのは本末転倒だ。

参考サイト)

子どもの人権110番 - 東京弁護士会
http://www.toben.or.jp/know/iinkai/children/jinkenkyusai/post_1.html

電話相談
子どもの人権110番 Tel: 03-3503-0110「さぁ、子どもの味方、110番
時間 月〜金曜日 13:30〜16:30 17:00〜20:00、土曜日 13:00〜16:00

子どもの人権に関する相談のすべてを扱います。相談は無料です。
ひとりで悩んでいないで、友達のこと、学校のこと、先生のこと、家族のこと、何でも気軽に相談してください。みんなの悩みを何でも聞きます。まずは、03-3503-0110に電話してください。
東京弁護士会・子どもの人権救済センターは1985年に開かれました。子どもたちのかかえる問題について、理解と熱意のある弁護士が子どもの人権110番の電話相談と面接相談を行って、多くの子どもたちの人権侵害の相談や救済に取り組んでいます。