消費増税延期条件 首相発言に波紋 - 東京新聞(2016年2月27日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016022702000150.html
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安倍晋三首相は26日の衆院総務委員会で、来年4月予定の消費税率10%への引き上げについて「世界経済の大幅な収縮」が起きれば先送りする可能性があると明らかにした。通常国会が始まるまでは、増税延期の可能性がある場合に関し、リーマン・ショック東日本大震災などを挙げて「大きな事情の変更が突発的に発生すること」と説明していた。今回の発言は税率引き上げを先送りする条件を緩めたのではないかと波紋を広げている。 (関口克己)
首相は来年四月の税率引き上げについて「リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施する」と答弁。「重大な事態」が何を指すかについて「世界経済の大幅な収縮」と説明した。
その上で「株価や市場の変動のみではなく、実体経済にどういう影響が出てきているかも含めて考えなければならない」と強調した。
税率を上げない場合に衆院を解散する可能性については「現段階では予定通り引き上げていく考え方であり、解散は頭の片隅にもない」とした。
首相は二〇一四年十一月、税率10%への引き上げを予定していた一五年十月から増税を延期して衆院解散した。
消費税率をめぐっては、一五年三月に経済情勢次第で増税を停止できると定めた消費税増税法の「景気条項」が削除され、法律上は来年四月の税率10%実施が確定。引き上げ延期には法改正が必要となる。