(政界地獄耳)将来の首相狙う覚悟で国民に説明を - 日刊スポーツ(2015年10月20日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1555018.html

内閣改造が終わったものの、中には暴力団との関係が発覚した者や、下着泥棒、不特定多数へのカレンダーの配布と、国民としては閣僚に問いただしたいことがたくさんある。官房長官菅義偉がそれぞれの件について記者から問われ「問題ない」と答えているようだが、そんなものは免罪符にもならない。本質は国民が納得したかどうか。官房長官の解説より、本人の説明責任で問いただしたい。

★その現象は自民党全体の体質になりつつあるのか。19日、元経産相小渕優子政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕の依頼した第三者委員会が会見し「不正行為が元秘書らの判断や指示で行われており、小渕にも監督責任があり、その責任は軽微とはいえない」とする調査結果報告書をまとめた。しかし、この日まで小渕は会見すら開かず逃げているばかり。次の選挙で再選を果たせばおとがめなしとでもいうのだろうか。将来の首相を狙うならば覚悟を持って国民に説明してもらいたい。

★19日には野党5党の幹事長、書記局長らが会談し、臨時国会を開くべきだと一致した。閣僚は所信すら説明せず、TPPは先行き不透明。いつの間にか新アベノミクスになった官邸の経済政策、それに伴う1億総活躍の説明など国民が求めるものは多い。関係省庁からマイナンバーのことを知りたいと思う者も多いだろう。その意味では安保法制成立時に政権が見せた、無意味な答弁や、首相・安倍晋三自らが放つヤジなど国会軽視が続き、立憲政治思想が育っていない政治家の最大の欠陥が引き続き政治を混乱させ政治不信を招いているといえる。国会を開かずにやりたいことだけをやる政治など断じて許されない。(K)※敬称略