合憲性の説明不十分 安保法で防衛相が認識 - 東京新聞(2015年10月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201510/CK2015101002000134.html
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中谷元・防衛相は九日、都内で開かれたNPO主催のシンポジウムで、先の通常国会で成立した安全保障関連法の審議に関し、政府が訴えた集団的自衛権行使容認についての合憲性の説明が不十分だったとの認識を示した。「一番欠けていたのは憲法との関係の議論だ。一番しっかりしなければいけないところが十分に説明できなかった」と述べた。
安保法制の立案や答弁の中軸を担った中谷氏が政府側対応の不備を認識したまま法成立を優先させた姿勢が鮮明になった。中谷氏は「自戒を込めた」発言だとする一方で「憲法の範囲内の法律だ。今後、国民に理解、支持していただけるように努力したい」と述べ、法律に違憲性はないとの立場を強調した。
これに対し、同席した民主党渡辺周元防衛副大臣は「政権の準備と論理的説得力が欠けていた」と安倍政権の問題点を指摘。維新の党の小野次郎総務会長も「違憲との主張を無視したのは今後に大きな禍根を残す」と述べた。
安保法審議をめぐっては、六月四日の衆院憲法審査会で自民党推薦を含む三人の憲法学者全員が関連法を「違憲」と指摘したのを契機に、憲法との適合性が大きな焦点となった。内閣法制局長官の経験者や元最高裁判事違憲性を訴えた。法案作成に関与した礒崎陽輔首相補佐官が講演で「法的安定性は関係ない」と述べ、政府の姿勢に疑問の声が上がっていた。