宇都宮の18歳・森山馬好さん 重文・日光田母沢御用邸で個展:栃木 - 東京新聞(2015年10月8日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201510/CK2015100802000186.html
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中学時代のいじめを乗り越え、現在は絵画の制作に取り組む宇都宮市の森山馬好(まこ)さん(18)=本名・坪井麻里亜(まりあ)=が8〜12日、国指定重要文化財の日光田母沢(たもざわ)御用邸日光市)で、個展を開く。会場は、明治から大正時代にかけて造られた茶室。森山さんは「歴史ある建物での個展は初の挑戦」と語り、世界で活躍する芸術家という大きな夢を見据えている。 (大野暢子)
森山さんはこれまで、宇都宮市那須町でも展覧会を開催。今回は、会場の和室の雰囲気や、会場から見える日本庭園との相性を考えながら、新作を中心に約二十点を用意した。
原色を使った明るい色づかいや、幻想的な世界観が森山さんの作風。「決して和風ではない作品と、伝統的な和風建築とのユニークな組み合わせを楽しんでもらえたら」と目を輝かせる。
中学三年生の時、同級生から壮絶ないじめを受け、自宅に閉じこもるようになった。一時は死も考えたが、家族から「無理に学校に行かなくてもいい」と言われたことが救いになり、幼少期から好きだった絵を家で描き続ける日々を送った。
最初は趣味として描いていたが、作品が公募展で入賞し、県内の美術関係者から「展覧会を開いては」という誘いを受けるように。今も体調が本調子でないと感じることはあるが、初対面の人とでも楽しく絵の話ができるようになった。
「昨年、海外の人にも覚えてもらいやすいようにと今のペンネームにした。世界から観光客が訪れる日光で個展ができるなんて夢のよう」と喜ぶ一方、「最近はいじめに苦しんでいる人やその家族からも反響があり、頑張らなくちゃと感じている。いろんな国の人に作品を知ってもらえるよう努力したい」とも語った。
展示時間は午前九時〜午後四時。会場は御用邸内の研修室5、6。入場無料。