司法試験漏洩 明大院教授、1対1で答案指導 憲法分野の取りまとめ役 - 産経新聞(2015年9月9日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150909-00000076-san-soci
http://megalodon.jp/2015-0911-1040-12/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150909-00000076-san-soci

公平性が担保されるべき国家試験で起きた前代未聞の事態。8日に合格発表された今年の司法試験で、考査委員を務めた明治大学法科大学院の青柳幸一教授(67)は教え子に、問題だけでなく、答案に記載すべきポイントまで具体的に教示していたことが新たに判明した。過去にも類似の不祥事があったにもかかわらず、防げなかった不正。「情けない」。信頼が揺らぎかねない法曹界からはこんな声が漏れるが、受験生と接する教員が問題作成や採点を担うこと自体に無理があるとの見方もある。
法務省などによると、青柳幸一教授は今年の司法試験で、考査委員として問題の作成などを担当。論文問題の公法系科目のうち憲法分野の出題内容を、教え子だった20代の受験生の女性に教えた。さらに、答案で論述すべきポイントを具体的に示すなど答案指導も行っていた。1対1で直接指導していたという。
青柳教授が女性に教えた問題は、新資源の採掘事業に反対した大学院生が自治体の職員に採用されなかったのは憲法上問題があるとして行政訴訟を起こすという想定。大学院生の代理人として「どのような主張を行うか」「自治体の反論を踏まえた自身の憲法上の見解を論じなさい」などと記述を求めている。
論文問題の配点は計800点で、このうち憲法分野は100点。女性はこの分野で著しく高い得点を獲得したが、法務省は「漏洩(ろうえい)がなくては作成困難で、得られないほどの高得点だった」と説明した。