沖縄の歴史 向き合って 映像祭 都内で初開催 - 東京新聞(2015年8月29日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2015082902000157.html
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太平洋戦争の沖縄戦から米軍統治時代を経て、今なお続く基地の重圧などを映像で紹介する「沖縄映像祭 in TOKYO〜終わらない戦後」が9月5、6の両日、東京都千代田区の法政大学市ケ谷キャンパスで開かれる。「戦後70年、国策に翻弄(ほんろう)されてきた沖縄を振り返り、日本がこの先どう進むべきかを探る参考になれば」。主催のNPO法人「文化経済フォーラム」理事長の具志堅勝也さん(60)は願う。 (鈴木学)
上映されるのはドキュメンタリー十六作品(二十五〜七十三分)。琉球放送沖縄テレビ琉球朝日放送、NHK沖縄放送局が制作、いずれも放送された。
主な上映作品は、沖縄戦の悲惨な記憶に今も苦しむ戦争体験者に迫る「心にカギをかけていた〜沖縄戦PTSD」(二〇一四年、琉球朝日放送)、昭和天皇の戦況判断に焦点を当てた「遅すぎた聖断〜検証・沖縄戦への道」(一九八八年、琉球放送)、政府の新基地建設の調査強行で反対、賛成に分かれた住民をとらえた「裂かれる海〜動き出した基地建設」(二〇一四年、琉球朝日放送)など。
具志堅さんは元琉球朝日放送の報道制作局長。米軍基地があることが当たり前になってしまった沖縄の若い世代に、当たり前ではなく「なぜ沖縄だけに?」の疑問を抱き、「島の将来を考えるきっかけにしてほしい」と映像祭を始めた。
第一回は二〇一三年十二月に沖縄大学で、今年一月には米軍普天間飛行場の移設先にあがっている辺野古を抱える名護市で開催。県外の開催は長野(八月二十九、三十日)と東京が初めて。
沖縄の戦中戦後を学べるプログラム。具志堅さんは「日米安保の実態も作品からうかがい知ることができる。賛否は別にして日本全体の問題として考えるきっかけになってくれればと思っています」。
入場無料。上映スケジュールは、文化経済フォーラムホームページ(http://www.bun-kei.jp/)で。九月六日午後三時四十五分から「普天間基地問題とメディア報道」をテーマにシンポジウムを開く。パネリストは鳩山由紀夫元首相、ジャーナリストの高野孟氏ら。
問い合わせは事務局=(電)080・8371・7340。